ユメミルクスリ

ネタバレです。
ドラッグをネタにしたシナリオ。
合法ドラッグでキメてる間だけ現実におさらばしても
ツケはどうしたってやってくる。
そして、現実に立ち返り、ツケを払う。
現実から逃避した幻の世界の描写はなかなか豊富でいい。
現実に幻を重ね合わせてゆく中で、現実に跳ね除けられるてゆく幻と、
そのバランスを保とうとする姿の描写もなかなか良い。
でも、現実に立ち返った場面の描写が薄く
ツケを支払う描写が無い。
ねこ子が現実に立ち返った時、忽然と姿を消して、2年が経ち、
唐突に現れたと思ったらクスリを抜く病院に行ってました、ツケを支払い終えましたと。
で、ハッピーエンド。
そらちと臭い物に蓋してんじゃねぇの?


ねこ子は主人公に禁断症状に苦しむ姿を見られたくなかったのかもしれない。
クスリに頼らなければいけない最大の理由は、現実と向き合った時に消失していた。
で、なんでクスリをやめれたのかってのはやっぱ、
愛だの恋だのではなく、現実を見て、そんで医療機関にかかる事なんだわな。
もちろん治療やカウンセリングの間、ねこ子を支えた家族の力も不可欠。
現実を見るきっかけを与えた主人公の描写も確かに良かったんだけど
その先の描写も、欲しかったなぁ、と思う。


正直リアルさは無いけど
そういう、おクスリが身近に無い人だったら、ああ、クスリは怖いねと思うかも。
身近にそういう人が居たら、んー、ほろりと来るかも。
やってる当人だったら、うーん、羨望と諦めのため息、かも。


まぁ、ひとつだけ言えるのは、
クスリに溺れるやつはクズです。